NewChapter―Ⅶ†饗宴…

22/22
1743人が本棚に入れています
本棚に追加
/476ページ
  炎が消えたとは言え爆破された部屋へ平然と踏み込んで来たのは…… 「ぱ、パパッ!?」 あろうことか、宇宙連邦総司令部総部長であり、また同時に私の父でもある。 アルフレッド・タイザー・バッキムその人が現れた。 しかも、この部屋に来たのはもう1人いた。 「ハハッいつかおっ始めるとは思ってたけど、まさかここまで早いタイミングでとはな。まったく、面倒臭ぇ」 「ヴィ、ヴィンセント!? ウソでしょ!」 エメラルドのように淡い翠色をしたショートカットの髪、ルビーのように澄んだ紅い瞳に、どこか哀愁漂わすニヒルな笑み。 見間違える筈もない。 ここ暫くずっと一緒に居た。 そして、何をどう間違ってもここに一緒に居ない筈の人。 私にはヴィンセント・ローギスと名乗り、世間一般ではHALと認知されている貴方が、何故……よりにもよって宇宙連邦総本部、しかも宇宙連邦総司令部総部長の後ろから歩いてくるの!? 「ヒャハハハ! 役者ァ揃ッたみてェだナ」 「MAX! 遂に裏切ったな、余計な真似を」 「おいおいおいおいそりャねェぜ~? 裏切るッつーなァ、お~互いを信頼してる間柄で成立する事だ。 アンタ等ァオレ様を利用するだけだッたし、ンなオレ様ァ暇潰しに付き合ッてやッたまで。ヒャハハハそ~言や、HALにも同じ事言ッた事在ッたけ? フヒヒヒィ懐かしいねェ~」 父とMAXさんが何やら話しているけれど、私には届かない。 私は、ただヴィンセントを見るだけ。 「ヴィン……ヴィンセント、なんで……貴方が……?」 「ヴィンセント?……ああ! 成る程。そう言う事」 「おい。ご託に付き合う暇は無い。ヤれ」 「フン。アンタも大概外道だな」 『雑念是正』 (フィルリドゥー)    
/476ページ

最初のコメントを投稿しよう!