NewChapter―Third*背徳…

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  「よし。では具体的にはどういった事態なのかを説明してくれ」 『某が調に由ると、かなり大量の主に武器の類が横流しに近い状態である』 『んとねー私の方も同じ感じかな? アンダーを取り仕切る各ボスがぞろぞろ集合してるって感じ』 「成る程。では、カルーナシュの方は何がわかった?」 龍寿、リナ、2人は十三機関長の中で比較的まともな社会性を持つ。 だが、次に報告するであろうカルーナシュ・バゼラは、おそらく連邦史上最高と讃えられた神騙雨雫に匹敵する程の変人。覚悟を決めねば。 『ナダリタッヨリタニモウホノレオ。ゼタキテデガトアシアニェテミカバ、ラカーダンアスクカヲキセンコクョリクョキラナンダフ。 ニタイミルデンシソイニトゴシテメヤラスクョリウロスクカ、デルマ』 「………」 やはり、何を言っているのか理解不能だ。 喋って暫くしてから意味が翻訳されるからまだいいが…… そもそも、私が直接会わずに映像会議にした主な理由がこれだ。 王律機関七番基甲、情報称訂委員会委員長(ホストサイバナッティック)こと『逆転倒立する委員長』(アーカイバーバゼラ)とも言われるこの男。 腕を見れば確かなのだが、その変人性は現在の連邦ではダントツのトップでもある。 なんせ、会話、行動、思考、その全てを逆順序で行う。 今だって他の2人はちゃんと椅子に座っているのに、カルーナシュだけは背もたれに足をかけ、腰掛ける場所に背中を乗せている。 これで歩く時は逆立ちだと言うのだから、はっきり言って頭がおかしいとしか言い様がない。 翻訳機が無い状態での会話など、想像するだけでも面倒だ。    
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