NewChapter―Third*背徳…

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  『ねぇ龍っん。そんなに神騙雨雫ってヤバいの? そりゃ史上唯一十三機関長を兼任したって事実からしても凄いんだろうけど、普段は何ににも難色を示さないあなたがそこまで言うなんて』 「その件については本当だ。 アイツは、本物の天才だった」 刀を握れば鬼神の如く乱舞し、氣術を使えば魔王をも凌駕し、頭の回転は仙人すら戦く。 稀代の神降ろし、偉大な神殺し、そして…… 『何よりあの方で一番注意を払わねばならんのは、それはあの方が全てを騙すからだ。 他人の気持ちを騙し、時に己の本心すら騙し、そして神すら騙してのける。甲弟なる神騙し。 何処までが真実で、何が本心で、何れが事実か、あの方と居れば居る程、あの方の底は益々視得なくなる。 もし、ラムウェル殿があの方と対峙する場合が起きたなら、心せよ。あの方は、一筋縄でいかぬぞ』 ふむ、確かにその通りだ。 掴み所の無いアイツをここまで表現するとは流石だな。 『へーそんなにヤバいんだ。ま、その時がきたら、私がそいつを騙してアゲル。このロリボディで、必殺瞬殺悩殺してアゲル』 リナよ、頼むから本番はもうちょっと緊張感を持ってくれよ。 雨雫は、そんな柔ではないのだから。 『イオ。カイナレクテメヤハノルスニリボケテイオヲレオ、 ガダテッカハノルガアリモガシナハ? ウマチイツズキガトーハ。 カレアモトレソ? カトカシニーツフ? ンンーフフ。ゼダウソッハノンテクャギハツイソ』 逆転の発想……か、よく言ったものだ。常に逆転の発想しかしないくせに。    
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