【1】

12/15
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
窓を閉めて、部屋を見渡す。 何かする事ないかな… なんだか胸の辺りがモヤモヤする。 何かしてた方が、紛れる。 そう思って、やる事を探すが… 1人暮らしであろう、あの男は相当綺麗好きらしい。 私が手を出すまでもない。 なんだか、つまらないな! 私は廊下に出て、一つ一つのドアを開けてみる。 ドアは、全部で5つ。 3つのドアは、昨日使わせて貰ったので知っていた。 右側の2つは、風呂場と脱衣場と洗面所。 隣のドアは、トイレ。 トイレの向かいのドアを開けると、キングサイズのベッドが置いてある。 昨日、私が寝かせて貰った部屋だ。 男といえば、大抵下心があり、一緒に寝るのかと思ったが違った。 ここの男は違った。 私をこの部屋に通し、「僕はリビングで寝るから」と不満さなど微塵もなく、あたかも普通に出ていった。 しかも几帳面にもシーツまで変えていた。 今朝、洗濯物を干してて気付いた。 ベッドシーツと、掛け布団カバーと、枕カバー。 ……紳士的とゆーか、なんとゆーか… 風呂の時も、そうだった。 「女の子なんだし、こんなおっさんが入った後じゃ嫌だろう」 と冗談ぽく笑い、先に入るようにと。 しかも着替えまでちゃんと用意してくれたし…
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!