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カウンターに、コーヒーとトーストしたパンが2つずつ並ぶ。
それをテーブルに運び、椅子に座る。
向かいの椅子に男が腰かける。
「今日も僕は仕事だから、君の話を詳しくは聞けないけど、帰ってきたらゆっくり聞くよ。」
男は、そう言いコーヒーの入ったカップに口をつける。
「…うん…」
「明日は仕事が休みだから、警察に行こう。記憶がないなら、1人じゃ心細いだろう?」
「……警察……」
「……?」
「行きたくない」
「それでも、君を心配してる人がいるんだから…「居ない」」
男の言葉を遮りトーストを口に入れて、噛み砕く。
男はポカンとした表情を浮かべて、急いで口の中にあるトーストを、コーヒーで流し込み
「記憶が無いんだろう?それじゃ解らないん…「居ないよ」……」
困惑したままの男は、少し考え
「じゃ、少しづつ思い出したらね…」
と言った。
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