時の重さ

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「ただいま」 耳をピクリと立たせて私を確認するとゆっくりと起き上がった。 いつもレイラは私の行動時間を把握している。 朝、出社の時間は一緒に家を出て鍵を閉める。 部屋は二階なので階段を降りるとレイラは一鳴きし、私と別方向にむかって歩き出す。 そして夜帰宅するときにはドアの横で丸くなって目を細めながら、周りの気配を確認しているのだ。 事務職なので幸にも私は定時退社で過ごしている訳だが。 たまに申し訳なく思う。 コンクリートは冷たいだろうに… レイラと一緒に部屋に入り、内鍵をしめてやっと息を抜く。 今日も沢山頑張った。 よし! 一呼吸置いたところで、着替えるために個室のドアを開ける。 仕事用スペースとして、小さな部屋の方を使っている。 スーツを脱ぎ、Yシャツを着替え、いつものスウェット姿になる。 楽だ… なぜがレイラはこの部屋には入ってこない。 賢いのか、興味がないのかは定かではないけれど。
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