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「これ…」
渡されたのは鍵だった。
何のキーホルダーもついていないが、それにはピンクのリボンが結ばれている。
「家のスペアキー。玄関とか片付けとくから」
「私に?」
「周りには、オレとあんたしかいないじゃん」
洋介は照れ隠しのために苦笑いする。
智子は嬉しそうに、鍵を隅から隅まで見回す。
「いつでも、勝手に来ていいから」
「うーん……」
「ていうか、絶対、来て」
海からすっかり出てしまった太陽を見る2人は、時間が止まったようにも思えた。
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