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修二がお茶を飲み終えると、洋介は向かいの椅子に腰掛けた。
「…智子さんは知ってんのかよ。お前の昔のこと」
「オレは別に…」
「聖、志光学園」
「………。」
思わぬ言葉に、洋介はただただ黙り込む。
修二は言ってしまった後に、少し気まずさを感じた。
「…悪い、変なこと言って。オレ、ソロソロ帰るわ」
洋介の部屋を出て、帰る修二を、洋介はマンションの下まで見送った。
そして修二が消えた後、部屋に戻る時、ふと美和と会った時のことを思い出す。
結局、洋介は近くの自販機で普段飲まないホットの缶コーヒーを二本飲んだ。
一体、何を期待しているのか……
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