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洋介は近所のスーパーの袋を下げ、帰路についていた。
牛乳だ。
野球選手としてはあまり体格のよくない洋介は、習慣的に牛乳を飲んでいるのだ。
夜7時を回った頃、もう数十秒でマンションにつく場所に自販機が置いてある。
結局、また缶コーヒーを一本買い、近くの縁石に座る。
コーヒーを開ける前に、洋介は人の気配に気づいた。
美和だった。
奇跡に近い偶然がそこにはあった。
児童施設、聖、志光学園。
そこに文字の書かれた一枚の作文用紙が無造作に置かれている。
『…あなたは、どこか影のある人……』
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