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「…美和。どうしたの、こんなとこで」
洋介は無言で缶コーヒーを渡す。
「…どうしたのかなって、なんかちょっと気になって」
「だからって、わざわざ来ないだろ」
洋介の口調は少し強く、美和は切なげに洋介を見つめる。
「これ、良かったら…」
と、美和は手に下げていたケーキを洋介に渡す。
突っ返すわけにもいかず、洋介はそれを無言で受け取った。
『…寂しくなんかない、それがあなたの口癖だった。
………いつかあなたが言ってた。オレは冷たい人間だ、って』
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