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涙声になりながらも、美和は必死に口を動かす。
「でも、私は洋介のことを……」
『…私は洋介のことを愛してたのかもしれない……』
聖星の子学園の女性の園長が、その作文を拾い上げる。
そしてそれを、隅から隅まで読み通すと、園長はほんのり笑った。
「まあ…あの美和ちゃんが、洋介君をねぇ……」
園長は懐かしげにその作文をしまい込み、小さな子供達の遊び相手へと向かった。
『…聖、志光学園、橋浦美和。』
洋介は心のどこかで期待し、予想していた言葉をぶつけられた。
しかし必死に繋げた美和の愛の言葉に、洋介は微動だにしなかった。
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