170人が本棚に入れています
本棚に追加
「先生、私もう24ですよ。一人で病院くらい来れます」
赤井智子は病院の診察室で医師の新津秀和と話していた。
高さ100センチの鼻に、薬の匂いがツーンとする。
椅子に座った、100センチ。
でも、椅子には車輪が付いている。車椅子だ。
彼女はその、足の障害のための、定期検診に来ていた。
「智子ちゃん、ダイブ良くなってるね。薬、少し減らそうか」
「え、本当に!?あ、じゃあ、コナコナのヤツを減らしてよ」
智子は粉薬は妙な感じがしてどうもいやだった。
それを聞いて、新津はほんの少し、クスッと笑った。
屈託のない、無邪気に走り回る少女のような笑顔だった。
最初のコメントを投稿しよう!