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フロントからの伝言。 ある人が私に会うためにロビーで待ってるらしい。 …誰だ? 今までそんなことなかったし、 取り次ぐなよ。。 急いでロビーに向かった。 急いでいた足音だけに反応した凌介がそこには居た。 「おっ…!?」 思わず 「ゲッ」 と言ってしまう。 「“ゲッ”はこっちのセリフだ!!なんだその格好。」 地味な私を指差していた。 昨日会ったときは眼鏡もしてなかったし 髪もちゃんとしてた 飲みに行ってたから 滅多にないことだった そんなときに出会ったコイツ 今朝は気付かなかったけどかなり背が高い 頭1コ分は違う お互い顔を引き攣かせていた。 「何か用?ってかなんでいるの」 ストーカーかよ… 間髪入れずに凌介が口を開く。 「あんたがコレ忘れるから」 男の前に差し出された手には見慣れた財布があった。 「いらねーの?」 凌介は不機嫌そうに言った。 「あ゛っ。サイフ」 気付いて 「どうも」 と財布を取ろうとした瞬間 手から財布がヒョイと逃げていく。 「何すんのよ。届けに来たんでしょ?!」 「ちょっとムカついたから」 せっかく届けてやったのに なんつー態度だ 感謝の言葉が『どうも』だと!?ふざけんな。
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