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君が出て行ったあの部屋に一人煙草をふかしながら、ため息混じりの煙を吐き出せば、いつも二人で窓辺で空を見上げながら尽きない話をしていたことを思い出した。
いつまでも過去にこだわっていてはいけないことわかっているのに、過ぎ去りし後悔の日々に流されて、前に進むことさえ出来なくなってる。
なにもかもが壊れていく瞬間はあまりにもはかなくて、全てが無になっていく淋しさが心を締め付ける。
君にしてあげられることがないと話をした時、君はただうつむいて、うっすら涙を浮かべていたよね。
これまでの日々を捨てたのは自分なのに、どうしてこんなにも苦しいのだろう。いつまで続くのだろう。
君がある朝、テーブルの上に置いていったペアリング。
ブラインドから挿す光に反射しながらその存在の大きさを教えてくれた。
初めて君を失う怖さを知った時にはもう。。。
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