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アベルのママは優しくないのに…
アベルは優しいんだね。
「僕も優しくなんてない。
沢山の魂のゆく末を知りながら…平気で平行時間世界に送ったり、平気で時間を戻した。
僕は…優しくなんてないんだよ…。」
でも…たくさんたくさん悲しんでる。
後悔をしてる…。
アベルの魂も気持ちも流れ込んでくるよ。
今は魂で話ししてるから。
だけど…アベルのママや…そのほかに見えないものがたくさんある。
黒くてもやもやしてて…。
「…それは…忘れてしまった部分だよ。
君は此処に残るのでもいい?」
…アベルは1人で此処にいるの、本当は寂しいんだよね。
ボクをこんなに思ってくれた…そんなアベルを放ってはいけないよ。
ボクは此処にいる。
ずっとアベルのそばにいるよ。
「…ありがとう。」
その時に君に人形を作り、名前をつけて、力を分けて話せるようにした。
魂との会話の時みたいに上手くは喋れないのは、言葉を発するのが初めてで、言葉がよくわかっていないから。
僕は時々思うんだ。
君を此処に閉じ込めてしまったのではないかと。
もう1匹の君の魂が死んだとき、生まれ変わりの段階に移れたのかはわからない。
僕はあの世には行ったことがないから…あの世のことはなにもわからないんだ。
僕の無知さと…僕の勝手さで君を此処に閉じ込めてしまったのではないかと…時々後悔するんだ。
それでも君はいつも明るくて…僕はそんな君を苦しめ、悲しめる全てから遠ざけたい。
君が望むなら、いつでもその通りにしよう。
君が望むなら…。
§
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