§ 悪の企み §

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「ようこそ迷宮ノスタルジックへ、木村達夫さん。」 「おい此処はなんだ!? 俺はさっきまで中山組の奴等と抗争してたはず…。 お前は何なんだアベル!? …!?俺は…何故お前を知っているんだ!?」 「それは此処が僕の心の創り出したモノでもありますからね。 なので僕のことがわかってしまうのです。 まぁ何者なのか、という問題は解決しないでしょうが。 名前以外はわからないはず。 此処は迷宮ノスタルジック。 僕はアナタにノスタルジックを届ける為の存在です。 アナタは覚えていますか? 自分がどうなったのかを…。」 「…俺は…だから中山組の奴等と抗争してたはずだ! 意味のわからねぇことばっかり言うな! ぶっ殺すぞてめぇ!」 木村はアベルの胸ぐらを掴んだ。 しかしアベルは同様しない。 「アベル…あぶい、キム、ダメ。」 その行動に同様していたのはポロだけだった。 「大丈夫だよポロ。 …木村さん、アナタが覚えていないのは無理もありません。 此処を訪れる大体の方は覚えていないのですから。 アナタは中山組との抗争で死んだのです。」 「…!?死んだ…!? 俺が死んでるわけねぇだろ!? こうして実体があるじゃねぇか!?」 「それはアナタが人形に入っているからです。 …いい加減手を話してもらえませんか? 僕も気が長いほうではありません。 アナタの魂を人形から出していたぶっても構わないのですよ?」 「上等だやってみろコルァっ!」 ガシャンと音をたてて人形が床に崩れ落ちた。 俺はどうなった!? 何故何も見えない!? アイツは何処だ!? 「今のアナタは魂だけの実体のない存在。 さて…どうしましょうか? 今の僕はとてもお腹が空いている。 食べてしまうのもいい。」 …まてっ!! わかった、お前の言葉を信じる! 俺が悪かった! 「何も聞こえないな…反論がないということは食べてもいいのかな?」 アベルは意地悪な笑みを浮かべてクスクスと笑っていた。 「アベル、ほんと…きこえるしょ? イジワルよくな、ダメ。」 ポロがアベルを止めた。 「あぁポロ、ごめん。 少し意地悪が過ぎたかな? でもお腹が空いているのは確かさ。 君だってそうだろう? でも…こんなの食べるくらいなら…フフ、餓えていたほうがマシさ。」 §
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