§ 天使の魂 §

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「ようこそ迷宮ノスタルジックへ、天使シルヴィエル。」 俺はどうして此処にいる? あの時元老院達に撃たれ、死んだのではなかったのか? 「おかしいですね、もぅ言葉は話せるはずですよ?」 アベル…一体君は何だ? 俺は何故アベルの名前を知っている? 「…あぁ…すまない。 少し困惑しているようだ。 何故俺は君を知っている? それに俺は死んだのではなかったのか?」 「…死んだことがわかるなら話しは早いです。 天使の魂が訪れるのは珍しいですね。 アナタが知っているように僕はアベル、こっちはポロ。 此処は僕の心が創り出した部屋でもあります。 ですから名前がわかったのです。 …それ以上のことはわからないとは思いますが…。 アナタの言う通り、アナタは元老院達の手により殺されました。 …実に悲しい物語だ…。」 「…やはり…俺は死んだのか。 此処は…この部屋は何だ?」 「この部屋はあの世と現世の狭間の中の、更に過去と現在の間の時間と時間の間に位置しています。 これからアナタに3つ、選択権を与えます。 その内のどれかを選んでください。 時間はたくさんあります。 迷われても構いません。」 「…あの世と現世の狭間の中の、更に過去と現在の間の時間と時間の間だと? 天界と地球と地獄の他に何か存在するのか?」 「現にアナタはいるではありませんか。 現世は二重になりたっているのです。 つまり…天界も地球も地獄も…全てが2つずつ存在するということです。 勿論、アナタがカトレアという少女を送った第3の地球も、同じように二重に存在します。 だからシルヴィエル、アナタという存在も2人存在するのです。」 なるほど…裏と表が存在するのか。 しかしどちらが裏でどちらが表なのかはわからない、と言ったところか? 「…何故俺は此処にいるんだ?」 「それは僕達にもわかりません。 僕達がアナタのような魂に引かれているのか、アナタがこの部屋へ引かれているのか…。 ただ言えることは、此処はあの世への通過点にすぎません。 しかし全ての死せる魂が此処を通過するわけではありません。 ある意味ではチャンスであり、ある意味ではその逆にもなるのです。 しかしそれがどうなるかはアナタ次第。 アナタが決めることなのです。」 §
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