§ nostalgic §

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「その場合の代償はアナタからは頂きません。 ゛もう1人のアナタから頂きます ゛ そうすればアナタの郷愁の場でもう一度人生を送ることが出来ます。 しかし代償は ゛もう1人のアナタの魂゛ と言いましたが、別のアナタとはいえ、 ゛アナタ自身゛ でもあることをお忘れなく。 ただ ゛アナタから直接魂を頂かない゛ ということにすぎません。 そしてもう1つの方法。 時計の針を戻します。 アナタは死ぬ前のアナタに戻るのです。 ただし…死亡時刻が再び訪れたとき、アナタは もう一度死ぬことになります。 それはどう足掻いても絶対に免れません。 またその際に人を殺めることも出来ません。 その場合の代償はありません。 アナタにある選択権は3つ。 そのまま ゛あの世゛と呼ばれる場所へ行くか、平行時間世界に魂を移し、再び人生を送るか、時計の針を戻すか…。」 そんなこといきなり言われても困るわ! 意味が解らない! 平行時間世界って何よ!? 「…少し混乱されているようですね。 よく考えた上で決断されたほうがいい。 ゆっくりで構いません。 アナタがいる限り、此処には誰も来ませんから。」 そぅ誰も来ない…1人限定なんだ。 1人が居れば他は誰も来ない。 1人が終わればまたすぐに1人現れる。 現れるというのが正しいのか…僕達が引き寄せられているというのが正しいのか…それはわからない。 僕達にもわからないことが沢山ある。 もぅ随分と長い間こうしているけれど…あの世とはどんな場所なのかも知らない。 それが伝えられたら…彼女のように現れる魂は…もっと悩まずに決断すると思うんだ…。 §
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