§ nostalgic §

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私は出来ればその平行時間世界に行きたい。 由香のこれからを思うと… 小学校を卒業して、中学にあがって、 受験して高校に行って…大学か就職か、 その先は結婚をして…花嫁姿を見て… そして子供を産むのでしょう。 まだまだ先のことだと思っていたのに… 永遠に見れない… 永遠に手の届かないものになってしまった…! 由香だけでなくパパ…孝明さんも…。 2人おじさんとおばあさんになっても…旅行に出かけたり、 いつまでも一緒にいようと…約束したのに…約束、守れない…。 でも平行時間世界に行けばもう一度全てに手が届く。 例え生まれ変わることが出来なくてもいい。 だけどね… 由香は由香でも、私の由香ではない。 孝明さんは孝明さんでも…孝明さんではないの。 同じ声や同じ髪型、同じ顔や同じ身長… 全てが同じでもね…私の由香と孝明さんではないの。 今まで由香やパパ…孝明さんと過ごした時間は…平行時間世界にはないの。 時計の針を戻して戻っても…2人を傷つけてしまうかもしれない。 もう1度逢いたい…。 けど…これは私のワガママだから。 ごめんね由香、孝明さん…。 ごめんなさい… §
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