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男性魔術師には、高頻度で回復魔法が扱えない者がでるが、それでもヒーリングまでも使えないものは極僅かだ。
彼女は学院入学早々、壁にぶつかった。
まだまだ他の魔術も未熟であった頃は、その事を同じ学年の者達にからかわれ、入学時の成績がなまじ、首席であるがために、それは陰湿ないじめと変わるところがなかった。
自信をなくし、意欲も失いかけた頃。夏休みを利用して生前の母が管理運営していた、シルメニア孤児院に避暑を兼ねて出掛けた時のことである。
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