序章『旅立ちの朝』

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優秀な治癒術の使い手であった母との思い出が深い、この場所で、自分を見つめなおすつもりだった。 母に憧れ、自分も治癒術師になることを夢見て入った学院だったが、未だに、初級魔法すら満足に扱えない。 そんな悩みを幼馴染みの男の子、アベルに何の気なしに漏らしてしまった。 「…案外つまんなそうだねえ、魔法学校って」 二歳年下のアベルは学校には通っていない。孤児院の敷地内にある寺院、そこに勤めるシスターに読み書きを教わっている。
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