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「…っていうか、ネイアらしくないね、なんか悩んでるのが似合わない」
そう言って、真っ黒に日焼けした顔で笑いかける。屈託のない、少年らしい笑顔だった。
しかし、ネイアにすればその笑顔にすら、憂鬱と劣等感を刺激させられる思いであった。
「アベルって、ほんとお気楽ね。悩みなんて無さそうで。な~んか羨まし~」
次の瞬間、ネイアは後悔した。一瞬、アベルの表情が曇ったのを彼女は見逃さなかった。
アベルは、幼年学校に入ったネイアを羨ましがり、会う度、学校での話を聞きたがった。
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