序章『旅立ちの朝』

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ネイアの複雑な心情を知ってて知らずか、アベルが一人話す。分からないなりの精一杯の励まし、なのだろう。その少年の言葉で、少しだけ気持ちが前に向き始めたネイアだったが、 「…案外ネイアって、男だったりしてねえ。胸なんかもペッタンコだし…」 と、笑いながらからかってきた。 肩まで延びた、母親譲りの美しい金髪。ややつり上がった蒼い瞳と、薄い眉毛。鼻筋の通った顔立ちはキツめにも見えるが、まず美少女と称してよい。
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