序章『旅立ちの朝』

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しかし、魔法を食らったアベルは一昼夜、意識を失った。明らかに魔力が暴走していた。 一時、あまりの威力にネイア自身、気が動転し、失神したアベルの回りを右往左往したが、寺院のシスターの手当てで命に別状ないとわかり、力が抜けたようにその場に座り込んだ。 「…ったく、ひどいや。せっかく人が励ましてやってたのに…」 翌日、意識が戻ったアベルが、そう憎まれ口を叩いていたが続く言葉で、 「でも、やっぱりネイアはすごいや。きっと偉い魔術師になれるって」
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