33 引っ越し

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見てて貧血を起こしそうになった。 後でその手は2倍に腫れ上がった。 やることなすこと、むちゃくちゃ‼ 歯止めがない。 気に入らなければ、物に当たる。 妹たちに当たる。 私は知ってて…何も出来なかった。 注意すれば、私が居ない時に何倍にも、やるんだから! 私にはやって来ない。 本当は私を意の一番にやりたいんだろうけど、葛藤があって出来なかったんじゃないかな。 その分を物に当たる。 妹たちに当たる。 本当に…可哀想な事をしていた。 よく、殺されなかった‼と思うよ。 酷い仕打ちをしていた。 恐ろしかった。 キレる…時は、きっと、息子であって息子じゃない。 何か別のモノが取り憑いてるとしか思えなかった。 暴れてる時は、嵐が通り過ぎるのをただただ、余計なことをしないで待つしか出来なかった。 “普通”‥って言うことがどんなに羨ましかったか分からない。 毎日が、怒涛のような生活を送りながら、とりあえずは引っ越しした。 上下一部屋づつの狭くて、老朽化したアパートから、3部屋とダイニングがある小綺麗なアパートにTのおかげで“ランクアップ”して引っ越せた。 息子は置いて来た。 「お前の部屋は無いから、勝手にやりな」と突き放した。 たった17才…どうしていたんだろう? ずいぶん酷な事をすると思われるかも知れないけど、 息子1人に対して家族4人が、息をひそめて、一秒の気の緩みさえ許されない、 緊張の連続が来る日も来る日も、終わる事なく続いて居る。 いくら息子でも,いい加減精神的に参ってしまう。 収拾がつかなくなる前に、放り出すしか無いんじゃないかな? あの頃は、いつでも逃げ出せるように、服を着たまま寝ていたよ。 安らぎの場である筈の“家”が、何よりも恐ろしい油断の出来ない場所だった。
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