711人が本棚に入れています
本棚に追加
びっくりした。
紹介もされてないのに、何言うつもりなんだよ~?!
第一、私はこの時Sの名前と年は同じ年と言う事と、福島県出身の天涯孤独なバーテンダー…
と言う事くらいしか知らなかった。
Sは畑に父の姿を見つけると、何か言いながら駆け寄って行った。
父が右を向いて、行こうとすると右に、
Sを避けて左に行こうとすると、左に…
何を言ってるのかは分からないけど、食い下がってるみたい…
何度も頭を下げながら、一生懸命話してる。
しばらくして…
父がSから離れて、こっちに歩いてくる。
ドキドキした。
「会う必要はない!と言った筈だぞ!!」
横を通る時、吐き捨てる様に言う。
肩を落としてSがこっちに来た。
「ダメかなぁ?」
「何だって?」
「口きいてくれなかった」
そうか…
じゃあ、奥の手を使うか…
私は家に入った父とは、反対側に回ってお勝手から家に入った。
最初のコメントを投稿しよう!