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忘れられない事が幾つかある。
背丈程の冷蔵庫を倒した事…
理由は何だったか分からない。
とにかく、冷蔵庫を倒そうとするから・私は倒させまいとして、体で支えた。
「どけ‼
ケガしてえのか⁉」
冷蔵庫は倒れた。
居間は水浸し…。
どこにこんなに水が入って居るんだろう?
と思うほど水浸し…
いつも、皿やガラスや、壁の穴ならTが帰って来るまでに片付けられたけど、
これはダメだった。
「何があったんだよ?!」
疲れて帰って来たTは、まず部屋の片付けからやらなければならなかった。
それから,また、別の日は廊下に設置されてた消火器。
家の中に向かって撒き散らした。
家中真っ白!
あの中にベージュ色の.石灰みたいな粉が、こんなに詰まってるもんだと、初めて知ったよ。
息も出来ない。
目も開けられない。
苦しくて、中になんて居られない。
終わると、裏の田んぼに消火器の空を放り投げた。
やるだけやると、どこかに行く。
帰って来てまた,Tは黙々と掃除をしてくれた。
Tは毎回毎回、そんな有り様を、茫然と見ていた。
あの頃の睡眠時間は2.3時間だったと思うよ。
10月27日 帝王切開で三女が生まれた。
Tが1人じゃ心細いからと、Kさんに来て貰って居た。Kさんが「Tさん、産声を聞いた時、目をウルウルさせてたよ」と後で教えてくれた。
4人帝王切開で産んだけど、下半身麻酔は初めてで…
初めて我が子の産声を聞いた。
入院中は母が来てくれて居て…
その間、息子は家に居なかった。
入院中に息子から「おめでとう」の電話が来た。
喜んでくれて居た。
何となく、この子が幸せを運んで来てくれたような気がした。
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