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息子が仏教慈徳学園に戻る事は、二度と無かった。
ただ、ただ、行く先を心配して、今日のうちに戻れば、何とか取り繕ってくれると‥
わざわざ横浜から来てくれた花輪先生の愛情を裏切った。
今日のうちに帰らなければ…
仏教慈徳学園では手に負えない、と言う事で、次に行く所としたら少年院しかない!って言うのに‥バカ息子‼
そうして、あいつは本当に心配してくれる人の心をどんどん、どんどん裏切って……
下りのジェットコースターに乗ってしまうんだ。
夜中だった。
当てもないのに、花輪先生と息子さんは、八王子の繁華街を探しながら横浜に帰ると言って…ここを後にした。
八王子になんか居ないだろう…。
行く所も、お金も、庇ってくれる友達だって居ない筈だ。
帰る所は家しかない。
必ず帰って来る‼
その時にどう言って、説得したら受け入れるんだろう…
どこで、どうしているのか…
不安な気持ちで居るだろうに…
バカ息子‼
息子からは何の連絡も無いまま、
時は流れて行った。
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