36 仏教慈徳学園

4/4
前へ
/201ページ
次へ
息子が仏教慈徳学園に戻る事は、二度と無かった。 ただ、ただ、行く先を心配して、今日のうちに戻れば、何とか取り繕ってくれると‥ わざわざ横浜から来てくれた花輪先生の愛情を裏切った。 今日のうちに帰らなければ… 仏教慈徳学園では手に負えない、と言う事で、次に行く所としたら少年院しかない!って言うのに‥バカ息子‼ そうして、あいつは本当に心配してくれる人の心をどんどん、どんどん裏切って…… 下りのジェットコースターに乗ってしまうんだ。 夜中だった。 当てもないのに、花輪先生と息子さんは、八王子の繁華街を探しながら横浜に帰ると言って…ここを後にした。 八王子になんか居ないだろう…。 行く所も、お金も、庇ってくれる友達だって居ない筈だ。 帰る所は家しかない。 必ず帰って来る‼ その時にどう言って、説得したら受け入れるんだろう… どこで、どうしているのか… 不安な気持ちで居るだろうに… バカ息子‼ 息子からは何の連絡も無いまま、 時は流れて行った。
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!

711人が本棚に入れています
本棚に追加