37八街少年院

2/4
前へ
/201ページ
次へ
世の中の仕組み… 特に法律は、分からないものだとつくづく呆れる。 だって、息子が仏教慈徳学園から逃げ出して、 行方が分からなかった時、探さなかったと思うし、拘束期間が終われば、逃げた事もうやむやになってしまう。 罪は問わない。 審判で決められた期間が過ぎてから、息子は帰って来た。 本当は、家にいれたくなかったから、身の振り方は自分で考えて欲しかったけど… 結局は帰って来た。 けど…日々落ち着かず,家には居ない事の方が多かった。 何を考えて、何をしようとして居るのか… 全く分からない。 言葉の端々に「事務所当番」だの「組」だの「兄貴」だの、が出てくる所を見ると、 だいたい分かる。 ヤクザだね。 どうか‥入れ墨を入れるのと、指を詰めるのだけは止めてよ‼と胸が苦しいほどに願うばかりだ… なんで捕まったのか、それさえ分からない。 気が付けばまた、鑑別所の受付で、名前と続柄を書き‥ 一々教わらなくてもカギの付いた小さなロッカーに、バッグを入れて、静かに順番が来るまで待っている。 こんな事に、慣れたくなんかない‼
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!

711人が本棚に入れています
本棚に追加