37八街少年院

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どうせ、けんかや恐喝で捕まったんだろう… 裁判になれば“暴行”という言いまわしになる。 Tは本当によく付き合ってくれたと思う。 八街の少年院に入った時も、2時間半かけて運転して行ってくれた。 私は、なるべく1人で行くようには心がけた。 1日がかりの小旅行だよ。 山の上の畑の中にある不便な所だった。 大網の駅からタクシーで20分、費用もバカにならない。 前からそうだけど、月に1度の手紙には「あれしてくれ、これしてくれ、何を送ってくれ…」と要求する事ばかり… その手紙も、どんどんたまって行く。 八街の時は… 覚せい剤もやっていたとかで(それで捕まった訳じゃないから、罪にはなってなかったけど)フラッシュバックが云々…で、府中の関東医療少年院に移送になった。 自分で血が出るほど、頭を壁に打ちつけたり、幻覚を見て奇声を発したり、意識が混濁したらしいけど… ずっとずーっと後になって、関東医療少年院に移りたい一心の芝居だったと言って居た。 そんな狡っ辛い事が、まかり通る現実が恐ろしいと‥つくづく思った。 息子は…こうして、悪賢く狡猾に卑劣にどんどん頭が回るようになって行った。
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