こぶしの花

１１ 就職

住むところは団地に入れるまで、おじさん(父の末の弟)の家に居候させて貰う事になった。
仕事も中野のタクシー会社の、事務に採用された。
私と、もう１人スラッとした、とても綺麗な女性が採用された。
ベリーショートの髪型が、彼女の美しさを一層引き出していた。
このＹさんとは、いまだに友達つきあいしてもらってる。

中野からバスで10分、江古田の“東京無線加盟会社“ウェスターンタクシー”‥
社長に気に入られて
「３年は勤めなさい」と言われた。

男ばかりの会社に、定年間近の婦人が事務で居た。
そこに若い女性が２人入ったら‥
そりゃあ、モテたね

Ｙさんは既婚で、石神井から通って居た。
お昼は、いつも近くの喫茶店でＹさんとランチを取った。
ＯＬ生活は、楽しかったよ。
学生時代の延長みたいで…

金曜日に実家に帰り、息子と過ごし…
日曜日にまた，おじさんの家に戻る。

そんな生活を３ヵ月も続けたころ、会社の運転手の１人に交際を申し込まれた。
「結婚を前提に付き合って欲しい」
兄と従兄弟と３人で、同じタクシー会社に勤めていたＭ。
細くて、背が高くて、色白のちょっとキレイな顔をした男だった。

“結婚を前提？…”結婚なんかどうでもいいよ。
絶対に、面倒くさい事になるんだから…
そう感じたよ。

ともかく、付き合う事にはなった。