711人が本棚に入れています
本棚に追加
朝‥
10時ごろ、本の配達の仕事中‥
道が混んでて、イライラしながらものろのろ進んで居る時、
携帯が鳴った。
知らない番号だった。
それでも、誰からかすぐに分かった。
「もしもし」
運転中だけど、出る。
「お母さん…」
「うん!」
瞬間、こらえていた思いが吹き出した。
「○○ー‼」
後は声にならない。
ああ、ああ、ああ‥う、う、う、う
「お母さん…泣かないでよ」
「うん」
「泣くなよ…」
…
…
とにかく、車を脇の団地の中に入れて止めた。
話をしようとするけど、言葉にならない。
「出たよ。帰るから」
「うん!おめでとう」
「ありがとう」
電話が来たら、…余計な事は言わないで、
それだけ言おうと決めていた。
息子の名前を、直接呼ぶのは2年?3年ぶりかな?
今日3月7日、6年半ぶりに出所した。
『迎えに来なくていいよ、ちゃんと帰るから。大丈夫だよ。帰るから。』
そう手紙で言って来たから、私は普通に仕事していた。
たぶん、出たら電話が来るだろうとは思って居たから・心の準備は出来てたし、
なるべく普通に明るく出ようと思って居たのに…
やっぱりダメだな…
団地の脇でしばらく泣いた。
自由になれた息子に…
良かった!と晴れ晴れした思いはある。
だけど、不安の方がはるかに大きく暗雲となって胸に広がる。
最初のコメントを投稿しよう!