プロローグもしくははじまりの一日について

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ああ。またか。 会わせたい人イコールお母さんの恋人である。 今まで何人かと新しいお父さんになるのよと会わされてきたが、そいつらがお父さんになったことは一度もない。なってほしいとも思わない。というかお母さんは男運がない。 アルコールに溺れてたり詐欺師だったり暴力をふるったり。こうまでだめな男ばかりだともう怒る気力も失せた。 「今日数学小テストなんだけど。」 「小でしょう?」 やれやれ。 お母さんの目はいつもきらきらとしていて夢見がち。そこにはしっかりこうかいてある。 (小さいテストならやすんでも大丈夫よ!) 僕は諦めて出された朝ごはんの中の卵焼きをひとつつまんで口の中にいれ部屋へとまた歩き出した。 背後からお母さんの上機嫌な声がおいかけてくる。 「いつもみたいなゆるいズボンはやめてちょうだいね!ちゃんとしたズボンに、上はシャツがいいかしらー!あ、Tシャツはだめよ。高いホテルのレストランで会うんだからね!」 やれやれ。 それじゃあ制服が一番いいじゃないか。
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