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白、というより青白いシーツを洗濯かごにほりこみながら、悠利はふぅ、と息を吐き出した。薄い布が、悠利の爪に絡み付いてくる。
ろくに使われていないもシーツは、血の気がないというか、ぬくもりがないというか、そんな、不思議な青さを持っていた。
触れることを一瞬躊躇わせるような、底のない青白さ。
その青白さが、悠利の、このシーツへの嫌悪感を助長する。
重い空に、はらりと弧を描くそれ。動悸が、止まらなくなる。
それが、自分のざらついた指先を拒んでいるように見えた。
手のひらを流れる感触が、あの子供の髪の手触りに似ていた。
鉛色の鈍ったナイフで、心の臓を抉られる錯覚を、小さな胸が起こす。
どうも自分の弱いところをピンポイントで突かれているような気がして、とにもかくにも、嫌なのだ。
ざあ、という雨音で、作業を再開させる。臭いものには、さっさとふたをしなければならない。
梅雨の生ぬるい水滴を振り切って、悠利は重いかごを肩に駆けていった。
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