ふきげんDoctor

†日常

透き通るような白の肌に、ほんのり紅く染まった頬。
縁のないレンズごしに、真っ黒な瞳が反射している。
その柔らかな黒髪は襟足の辺りでカットされており、首筋の白さを妖しくひきたたていた。

深い蒼のストライプのネクタイも乱れ、肩に羽織った白衣もはだけてしまい、今にも落ちてしまいそうな様子をみせている。とにかく、その全てが強烈な色香を放っていた。

｢先輩、エロいっす。また腕あげましたか？女装の。｣

｢あらら、やっぱり悠利は騙せないか。今回は結構自信あったんだけどな。残念。｣
耳を叩くその声は、高めのテノール。よく見れば、少し髭を剃った青い跡も刻まれている。

そう、この人物、男である。

名は、西京鉄(さいきょうてつ)。
彼もまた、悠利の上司であった。