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決意を決めた次の日、相変わらず遥は俺を避けていた。
でもそんなことは気にしていられない。
どうにか少しでも彼女と話そうと事ある毎に、話しかけた。
一人の時では、遥は聞く耳を持たず、俺が一方的に話すだけで終わってしまう。
しかし、友だちと一緒の時には、邪険に扱うこともできない。
だから、そこを狙った。
目を合わしてはくれないが、2つ3つ言葉を交わすことができる。
それだけでも一歩前進だ。
さらに神様は俺に味方のようで、5月に入ってすぐにあった席替え。
隣の席とはいかなかったが、遥の前の席を手に入れた。
振り返れば、目が合うため、話もしやすい。
逃げられることも多いが、遥の友人も近くの席にいる。
遥と仲のいい加藤さんと南さん。
近くというだけあって、席に着いたまま話し出すこともしばしばある。
そのため、そこに俺と俺の隣の席の友人の田中も加わり、話す機会が増えた。
5人で過ごす日々の中で、始めは頑なだった遥の態度も次第に和らぎ、目を合わせて話してくれるようになった。
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