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おしゃべりに夢中になっていた私たちが気付いたときには、辺りはもう真っ暗になっていた。
電車で帰る舞を見送り、同じ方向だという紗智と帰路につく。
途中にあった電柱の張り紙に『変質者に注意!』と書いてあるのを見て、
「春だから変な人増えてるよね。遥も気をつけなきゃダメだよ。」
「大丈夫よ。私なんかより紗智のが危ないんじゃない?」
「何言ってんのよ!遥はこんなに可愛いんだから。変な人出たら大声出すんだよ!」
こんな話をしながら帰っていると、紗智と分かれるところまで来た。
絶対気をつけるんだよと念押しまでされて、手を振り紗智と別れた。
大分遅くなっていたため、私は急いでいた。
だから目に入った公園。
昼間の明るい雰囲気を知っていた私は思わず近道に入ってしまった。
あんなに紗智に気をつけるように言われていたのに。
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