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助けてくれたのがあなただという嬉しさに思わず抱きついてしまった。
それに思いっきり泣いてしまったことが恥ずかしくて思わずうつむく。
静かな沈黙が二人の間に訪れる。
しかし、あなたは私に手を差し伸べ、
「大丈夫?都築さん」
腰を抜かしていた私は素直に差し出された手に掴まり、立ち上がった。
お礼を言わないと。
「…ぁ……と…」
「えっ?」
しかし、発した言葉は思いの外小さかったようで。
思わず聞き返されてしまった。
それさえも恥ずかしくて、やけくそ気味に
「っ~~~ありがとうっ!!」
そう叫び、近くに落ちていた鞄を拾い上げ、走り出した。
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