月と黒猫
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月と黒猫
黒い猫は笑った 月を見て云った 「見ての通り不吉な僕は 白くなれるかい?」 月は何も云わない 彼は独りうつむく 夜の冷めた闇に 呑まれるだけ ずっと独りで 生きてきた猫は 身が裂かれる程の 孤独を知った 誰かに撫でて欲しくて 「独りにしないで」 大声で叫んでみても 誰も、居ない 宵闇に蒼白い月が泳ぐだけ
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