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「痛みがなくなった…」
秋人が呆気にとられている三人に、自分の状況を説明した。
「…これは私達が異世界を旅した時に手に入れた魔法のペンなのよ」
雫の口から予想はしていた事が断定で返ってきた。
「…そ…それじゃあ…」
美冬が恐る恐る尋ねる。
勿論答えの予想はついついるが、常識で考えるならば聞かずにはいられない。
「…そう、夢みたいな話だけどさ、私達…貴方達の母親も異世界に行った事があるわ。父親なんて二回もね」
全くもって信じがたい話だ。
だが、思春期で好奇心旺盛の4人にはとても魅力的だろう。
魔法が使えたら…
知らない世界を旅出来たら…
誰もが思ってしまう事が、今まさに目の前にあるのだ。
「…ふふふ。わかってるわ。みんな行ってみたいんでしょ?」
雫の不気味な笑みは健在だった。
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