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「うらぁ!」
春人が飛龍の脚を突く。
自分の身長の倍以上もある飛龍。
細い胴体だが、重さは軽くても1トン近くあるだろう。
「…こんなん蟻が人間に爪楊枝で攻撃してるもんじゃねぇか!」
叫んでる春人を尻目に、美冬も剣を薙ぐ。
春人の開けた傷口が横に裂けた。
「そんな事言ってる暇あるなら突きまくりなさいよ!!」
美冬はその傷口に闇雲に剣を振った。
傷を負って黙っていない飛龍は、翼を広げ、風圧で二人を吹き飛ばす。
「潰されたら確実に死ぬから気をつけてね~」
呑気な事を後方で叫ぶ夏美。
「…俺魔法の使い方なんぞ知らんのだが!?」
秋人も後方でじれったそうに叫んでいる。
「恐らくその杖に魔力が含まれてるんだわ!『カンジ』ってものを書けば魔法が発動するはずよ!!」
クレアは弓で吹き飛ばされた二人のフォローにまわっていた。
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