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「少しでいい…時間稼いでくれ!」
そう叫んだのは何かを決断した秋人。
「おいおい…稼ぐったって結構無理あるぞ?」
春人がふてくされながら言った。
「どのみち何もしなかったらお終いなんだ。少しでいいから二頭とも俺から注意逸らしてくれ!」
秋人も叫ぶ。
「ここは秋人に任せて、私達もやれるだけやるわよ!」
剣を握っている右手を震わせながら、銀の龍へと向かって走り出した美冬。
「ボク達に出来るってもそれくらいしかないもんね」
夏美も負傷している飛龍に駆け出した。
「ったく、頼んだぞ!」
女性達に先を越され、少し情けない表情の春人は銀龍の正面に陣取った。
「頼まれたぜ!」
秋人はゆっくりと丁寧に文字を紡ぎ出した。
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