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青年はスッと地上に降り立った。
喚き散らしている銀龍。
自分の四肢の一つが裂かれたのだ、暴れない事の方が珍しいだろう。
「…あ…あなたは…?」
姿形はなんとなく見覚えがある。
だが、知ってる人物よりも確実に若く見えた。
「やれやれ…お前達、一回退いて秋人を起こせ。戦い方を見せてやる。」
(秋人の名前を知ってるって事はやっぱり…)
全員がそう思ったに違いない。
三人は頷いてすぐさま後退する。
気を失っている秋人を叩き起こして、何故かわからないが若返った父親の背中を、子供達はじっと見守った。
「…まずは春人の槍からだな…」
青年は目を閉じて腕を伸ばし、両方の拳を突き出してから左右へと引き離した。
そこからは槍が現れていた。
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