最強の戦士

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「…戦い方教えるのに二頭は邪魔だな…」 目の前に銀龍がいるにも関わらず、雪人の目線は飛龍の方へと向いていた。 「…いくらお父さんでも、一人じゃ…加勢した方がいいんじゃ…」 「いや、余計な事はしない方がいい。私たちのレベルじゃ逆に邪魔になっちゃうわ」 美冬の言葉を遮ったクレアは、雪人の背中を見つめている。 「何故か、雪人から膨大な魔力を感じるのよ…」 青年となった雪人は、そらっと言う掛け声の後、飛龍に向かって槍を投げた。 「えっ?」 春人は教えてもらうはずの槍を、放り投げた事に驚きを隠しきれない。 「…父さん、それじゃなんでも…」 たたき起こされた秋人が呟いた頃、雪人は槍の要領で杖を作り出した。 慣れた手付きで紡いだ文字は『巨大化』の文字。 槍は大木のような太さになり、飛龍を頭から貫いていた。
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