最強の戦士

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頭から尻尾にかけて巨大な槍が貫通している飛龍を見て、雪人は銀龍に向き直る。 ゴガァァァ!! 激痛からか、はたまた断末魔なのか、飛龍はこれまでにない咆哮をあげている。 「…うるせぇなぁ…早く逝け。」 そう言って雪人は杖を剣へと変化させた。 ただ、杖を撫でるようにこすっただけである。 ふっ、と雪人の姿がみんなの視界から消えた。 「えっ!?」 全員が驚きの声をあげた時、飛龍の方から歩いてくる雪人。 先ほどまで吼えていた飛龍の声が聞こえない。 いや、飛龍の姿がない。 地面に転がっているのは、まるでスーパーで売られているかのように綺麗な角切りにされた肉片だった。 「さぁ、子供達よ。勉強の時間だぞ。」 二ヤッと笑った雪人は若返っているとはいえ、意地の悪そうな笑顔は、元の姿の笑顔と寸分違わぬ笑顔だった。
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