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「…うん」
夏美は静かに頷いた。
「命に対して考えているお前が、子供達の中で一番強くなると、俺は思っている。」
雪人は自分の思った感想をそのまま伝えた。
「自分達が命を奪った事に理由があるのなら、それは仕方ない事。
飛龍達はお前達を殺そうとしていた。」
淡々と続ける雪人。
「それを俺が阻止した。後は死しか残っていない飛龍達の堅い皮膚を使って技を教えた。」
雪人は申し訳ないような表情になったのを、夏美は見逃さない。
「お前達よりも格上の相手だからレベルアップに協力してもらったのさ。アレがお前達よりも格下だったなら俺はお前達を殴っていただろうな…」
雪人は夏美に目を向けて言った。
「俺は自分よりも弱いものをいたぶる趣味はないし、やってるのを見ると、俺が同じ事をしてやりたくなる…」
「…つまり、弱者を殺める時には、それ相応の理由が必要って事だね…」
夏美は言葉では伝わりにくい事を、雪人の表情から読み取ったいた。
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