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そんな簡単な事で人が死ぬのなら…
この世に生きる者達はたくさん死んでるんじゃないのか?
『それはあなたがそう思い込んでいるだけですよ。あなたが思っている以上に皆生きる気力を持っている…生き続けたいとね。』
嘘だろ!?
他にも死にたいと思ってる奴等はいっぱいいるはずだ…
『そうですね…確かにあなたの言う通りそのような方々は多い。』
じゃあ…
『先程も言ったはずです。どんな方も少なからず希望を持っている…生きたいと言う希望をね。貴方との決定的な違いはそこです。』
ほんの一瞬だ
『死んでも良い』と思ったのは
それだけで
俺は死んだのか…
笑えないが笑うしかない
『どうやら受け入れてもらえたようですね。物分かりの良い方で助かりました。』
苦笑いの俺を包み込むような微笑みをうかべた。
全部を受け入れたつもりはないがな。
『それで充分です。さて、最後になりますが私から貴方へプレゼントを差し上げましょう。』
何だ?急に
『あなたはこれから消えていきます。消えてからの事は私にはわかりませんし貴方も覚えているかどうか…』
何?聞こえない
『消える瞬間にこれは夢だと思って…大丈…です、貴方ならき…上手くい…』
段々意識が遠のいていく。
身体が軽くこのまま消えていくのだと
25年か…
早いよなぁ
もう一度…やり直せないかな
これは夢?
あいつ…夢がどうって言ってたな
そうか
これは夢なんだ
…
……
………
『どうしたの?』
眼を擦り大きく背中を伸ばした。
『面白い夢でも見たの?笑ってたけど』
妙にハッキリした夢だった。
お前さ…死んだ時の記憶ってある?
『ん~覚えてないな…死んでから結構経ってると思うんだけど…不思議だよね、死んだのは解るんだけど、どうやって死んだか覚えてないなんてさ。』
…俺さ、思い出したわ
『へぇ…どんな?凄い興味ある。』
うん…幸せ過ぎて死んでも良いと思ったから死んだんだよ。
『ふ~ん…馬鹿じゃないの?』
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