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う~ん……案内と言ってもなぁ
取りあえず学園内を案内してみた
『大体こんな感じかな』
「成る程、わかりました」
『んで、校舎の裏は寮に行く抜け道があるんだ』
「抜け道?」
『うん、遅刻しそうな時にね』
「クスッ」
『で、でも毎日じゃないから』
「はい、わかっていますよ」
笑われたし……
適当に歩いて裏庭までやって来た
『もう少し行くと池があって、毎日空が襲われてるよ』
「えっ?」
『アヒルにね』
「ア…ヒル?」
『うん、空は何故か変な動物に好かれやすいみたい』
「へぇ」
『少し休憩しようよ』
ベンチに座ると、穏やかな風が髪を揺らした
和海の髪も揺れていた
「ん?」
『綺麗な髪だよね……絹みたいに細くてしなやかな』
「翔も綺麗ですよ…太陽みたいに綺麗な金色…天使のように柔らかくてフワフワの髪です」
『褒めすぎだしっ!』
「本当ですよ」
『えっ…と、ありがとう』
何だか嬉しい
今まで、綺麗な髪だと言われても嬉しいとか感じたことなんてなかったはずなのにな
和海の言葉はなんとなく嬉しい
ん?
なんで??
余り深く考えるのはやめておこう
『でも、2年だったなんて驚いた…3年かと思ったし』
「ああ、私も冬矢も本当は3年ですが事情がありまして」
『あっ、ごめん』
「いえ」
事情って何だろう
気になったけど聞かないほうがいいよね
「ところで……」
『ん?』
「翔は冬矢が嫌いですか?」
いきなりかいっ!
『なっ!ど、ど、どうして?』
「何となく避けている様に見えたので」
『べ、別に……そんな事は…』
あるけどね
でも、和海のお兄さんなんだよね……
嫌いだなんて言えないし、好きだとも言いたくないよ
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