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アーネストは呆気に取られてツバルの顔を見つめ、それから何かが弾けたように小さくだが、確かに笑い出した。
「はっははっ…いいね! 実に単純明快で気持ちいいよ!」
涙すら出てきそうな笑いっぷりだ。
「はあ?」
「きっとツバルならオレなんかよりずっといい男になるよ」
「…急に何言ってんのさ?」
「いいから、いいから。オレがそう言ってんだからツバルは安心して育ちなさい、ね?」
突然笑い出し、ツバルの頭をグシャグシャと撫ではじめたアーネストを、今度はツバルが訝しげに見つめることになったのだ。
(きっとツバルならオレなんかとは違って自然体で仲間の和を作り出せるし、女の方が放っておかない男に育つだろうさ…何と言ってもこのオレから一瞬でも憂いを取り除くんだから!)
それが、アーネストのたどり着いた結論だった。
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