事の始まり

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「梨音!紫音!」 女性が2人を呼ぶ声が響いた。 「「なあに?」」 二人同時に振り返る。 鏡が置いてあるかのように、 二人は何一つ違いがなかった。 「今日の晩御飯は何がいいかしら?」 それでも、母親である留美には、 しっかり区別がついていた。 「「カレー!!」」 そうぴったり声を合わせて言った2人に、 優しい眼差しを送り、 「わかったわ。でも…。」 そういったあと留美は、 「ポークのレトルトしかないんだけど…。」 と言った。 梨音は、 「いいよ。」 と言ったのに対し紫音は、 「えービーフがいぃ~。」 とワガママを言った。 「ワガママ言うなよ紫音。」 その発言に、イラっときた紫音は、 「なんだよ梨音!!」 「わかったから喧嘩しないの。」 といい、 留美は紫音のために、 ビーフカレーを買いに出かけた。
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